dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

他人の物語に絡め取られない

NHK Eテレで放送されている『最後の講義』。小説家あさのあつこさんの放送を観た。講義が始まる前、「希望がない時代の希望を見いだせたら」と語ったあさのさんは、母校である青山学院大学に集う10代〜50代24名に、珠玉のメッセージを贈った。あさのさんは岡…

孤独の抵抗

松本清張芥川賞作品『或る「小倉日記」伝』を読んだ。小倉日記とは、森鴎外が軍医として北九州の小倉に赴任した三年間の日記のことである。この日記は一時期行方がわからなくなり、鴎外の研究者の中でも非常に惜しまれた。そんな中、小説の主人公である田上…

心配と心配り

私の大好きな喜劇王、チャールズ・チャップリンは、沢山の名言を残して来ましたが、なかでもこの言葉は、私のさまざまな場面を支えてくれる言葉になっています。『人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ。』 私たちは、現状や未来に、さまざまな…

人生の砂時計

先日、42歳の誕生日を無事に迎えることが出来ました。こうして歳を重ねていくと、お客さまにもよくお話をしますが、人生が砂時計のように見えてくることがあります。砂時計の上の砂が残された時間、下の砂が過ぎ去った時間。そうすると、どんどん上の砂が減…

『ライフ・イズ・ビューティフル』

1997年イタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』を観た。たまたま21時前にテレビをつけ、何か良い番組がないかと番組表を確認すると、この映画がふと目に留まった。時は第二次世界大戦下。ユダヤ人迫害により収容所に連行されたユダヤ系イタリア人親子…

半藤一利さん

先日、歴史作家である半藤一利さんを特集した番組がNHKで放送されていました。保阪正康さん、磯田道史さん、宮崎駿さん、司馬遼太郎さんなど、多くの作家たちとの対談に込められるメッセージだけでも貴重なものでした。 『歴史を知るということは、日本を…

期待≠希望

アドラー心理学研究家の第一人者であり、『嫌われる勇気』などの著者、岸見一郎先生の言葉が、混沌としたこのパンデミックの世界から、とてつもない解放感を頂きました。 「期待」が裏切られても 「希望」は失われることはない まるで、空を覆っていた分厚い…

人間の心は○○より優先

理論物理学者である、アルベルト・アインシュタインの言葉に、以下のようなものがあります。『人間の心はテクノロジーより優先されなければならない』 物理学の第一人者のして、これからの世界を見据え、ある意味でアインシュタインの忠告のようなものを感じ…

至誠

2021年がスタートし、16日が経ちました。私は例年通り、元旦に今年の目標を作成しました。毎年全て達成している訳ではないですが、なんとか1つでも継続できるよう、学んで参ります。 2021年スローガン 『至誠』至誠とは、この上なく誠実なこと。まごころ。…

アルコール依存症

ここ最近、朝から晩まで アルコールに頼っている。今日も朝から家でひとつ。 店に入っては一杯。もう十分過ぎるほど取り入れたのに 店を出る手前でまた一回。 アルコール消毒液。目に止まるたびに、 ワンプッシュしたくなる。これはある意味、 アルコール依…

自分の戦争観はどこからきたのか。

先日、東京大空襲・戦災資料センターの講義にオンラインで参加させて頂きました。一橋学園の名誉教授でもあり、戦災センター館長の吉田先生のお話は、非常に価値のあるものでした。また、質疑応答は約1時間という時間を設けて下さり、子供たちの素朴な質問…

8月6日です。

今年は戦後75年目の節目ですが、新型コロナウイルスの影響もあって、各地の戦争資料館など、来場者が集まらず、苦しい思いをされているそうです。不思議なことに、国が管理する戦争資料館は皆無に等しい。ほとんどが民間や個人団体等が経営しています。歴史…

是枝監督の言葉に頷けます。

映画『万引き家族』の是枝裕和監督が、なかなか面白いことを言っています。 僕は意図的に長い文章を書いています。これは冗談で言っていたんだけど、ツイッターを140字以内ではなく、140字以上でないと送信出来なくすればいいんじゃないか(笑)。短い言葉で『…

論破、撃沈・・・・そして炎上。

最近、YouTubeやSNSに、 『論破、撃沈・・・・』という文字をよく見かけます。誰かの意見や、誰かがした行動に対して矛盾している点を見つけ出し、そこを突っついては言葉巧みに説得力という力で論破する(したように思わせる)。議論や対話形式ではなく『ディ…

正しく怖がる、正しく安心する。

安心と安全は違う。安心は主観的。 同じ状況でも、ある人は安心だと思い、ある人は不安だと思います。これはその人のもつ価値観や主観がそうさせています。安全は根拠に基づいたものです。 統計、エビデンスに基づいた根拠が軸になっています。 不安と危険に…

慶弔積立金なんて

作家・城山三郎さんの著書『無所属の時間で生きる』をパラパラめくっていると、『慶弔積立金なんて』というエッセイに目が止まりました。大学時代、ロシア語シナ語クラスに所属したことから、同期会に参加された城山さん。いざというときの為、会のメンバー…

日常のなかにこそ美しいものがある

私の家のトイレには、日めくりカレンダーがかかっています。毎日、人生に役立つメッセージが一言書かれていて、それを見ると、なるほど!そうやなぁ!と改めて背筋が伸びる気持ちになります。そんな日めくりカレンダーから、今日はフィンセント・ファン・ゴ…

日常のなかにこそ美しいものがある

私の家のトイレには、日めくりカレンダーがかかっています。毎日、人生に役立つメッセージが一言書かれていて、それを見ると、なるほど!そうやなぁ!と改めて背筋が伸びる気持ちになります。そんな日めくりカレンダーから、今日はフィンセント・ファン・ゴ…

372年ぶりの日食

6月21日、本日17時ごろ、日食が見えるそうですね。なんと夏至の日食は、372年ぶりだそいですよ。372年前と言えば、1648年。江戸時代となって、戦乱を生きた武士たちの多くがいなくなり、治世的な時代に入った頃。この辺りから、色んな芸術や江戸文化が栄え始…

与謝野晶子の言葉

今年も梅雨入りし、毎日ジメジメとした天気が続いていますね。大阪では、新型コロナウイルスも少し落ち着いたので、昨日、家族で久しぶりにお出掛けをしました。行き先は、堺市にある【さかい利晶の杜】。ここは、堺市にゆかりのある千利休と与謝野晶子の記…

自分の主体性はどうか。

師匠から、下村湖人先生の『青年の思索のために』を読み返してみなさいと連絡がありました。その中に、今の社会に通ずる素晴らしい文章を見つけました。 心窓去来の章にある “自分の自主性はどうか”という短い文章です。 「野菜類がこんなに値下がりでは肥料…

大衆社会と共生と

今、私はスペインの哲学者、オルテガ・イ・ガゼットの『大衆の反逆 』(1930年著)を読んでいます。これはなかなか気力のいる内容ですが、NHKのテレビ番組『100分de名著』で紹介されていましたので、少しは理解出来たかな~・・・という感じです。 18世紀~19…

不要不急こそ人生

不要不急という言葉を毎日聞くようになって約2ヶ月。考えてみると、この『不要不急』こそが、人生であり、生きがいそのものだと気づかされます。不要不急以外とは、食と医療。 これは必ず必要なものです。しかし、毎日生きていくためだけの食事ができたとし…

トルストイの言葉

ロシアが生んだ文豪、トルストイの作品を読んでいます。150年以上も前に書かれた物語には、人生の教訓がちりばめられていて、本当に素晴らしいなぁと思います。 『すべての不幸は、不足ではなく過剰から生じるのだ・・・』 これは逆説的ですが、真実をとらえ…

山椒魚戦争

カレル・チャペックの【R・U・R(ロボット)】に続き、【山椒魚戦争】を読みました。ロボットが1920年、山椒魚戦争が1936年の作品ですから、ヨーロッパは第一次世界大戦を経験、そして第二次世界大戦前という激動の中にありました。R・U・Rでは、科学技…

飛ぶ教室

エーリヒ・ケストナーの【飛ぶ教室】を読みました。なかなかインパクトのあるタイトルです。ドイツのキルヒベルクにあるヨハン・ジギスムント高等中学(ギムナジウム)の寄宿舎を舞台として、出身階級や性格の異なる寄宿生5人を軸に展開される、彼らにとって…

晴耕雨読ならぬ晴読雨読

自宅待機、テレワークになり約1ヶ月弱、午前中は必要な仕事を行い、午後からは晴耕雨読ならぬ『晴読雨読』状態です。映画を観たり、本を読んだり、散歩に出たり、物思いに耽ってみたり・・・隠居生活?のようになっています。早寝早起きで極めて健康的では…

トゥルーマン・ショー

1998年の映画『トゥルーマン・ショー』を観ました。あらすじは以下。「トゥルーマン・ショー」という長寿テレビ番組がある。赤ん坊の時にテレビ局に売られたトゥルーマンの人生を盗み撮りして、かれこれ30年近く、ひたすら24時間放映し続けている。トゥルー…

100年前からの警告

チェコスロバキアの作家、カレル・チャペックの『ロボット』を読みました。今からちょうど100年前の1920年に出版され、原作名は【R・U・R(エル・ウー・エル)ーロッスムのユニバーサルロボット】です。この物語(戯曲)に、世界ではじめて登場した名前が、タイ…

何を志しますか?

人生において、何を志しますか?そんな問いに対し、論語・公治長篇に出てくる孔子先生の回答が素晴らしい。 顔淵と子路(季路)が孔子のそばにいたとき、孔子が言われます。「自分たちの志とするところを話してみないか」と。二人はそれぞれの志を述べました。…