dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

理化学研究所、一般公開

先週末に家族で、吹田市にある理化学研究所の一般公開イベントに行って参りました。

理化学研究所が普段行っている研究を、一般公開してくれ、しかも研究者が直接色々な研究成果を教えてくれるという豪華なイベントで、大人も子供もとても興味深く学ぶことができました。

そんな中でも、特に印象に残ったのは、細胞動態計測研究チームのチームリーダーである柳田敏雄名誉教授の話です。

普段、人間は脳からの信号により、筋肉や骨を動かしています。この筋肉は、主にたんぱく質でできていますが、一つ一つのたんぱく質を見ると、ふらふら動いているそうです。

そのふらふら動くたんぱく質のお陰で、人間は滑らかな動きが出来るということです。

ロボットやAIは、カクカク動きます。これはまだ、人間のたんぱく質のようなふらふら動くという技術がないため、カッチリとしたプログラミングによって、カクカク動くのです。面白いですね。

AIは、将棋のようなゲームに使う頭脳は人間に勝っても、サッカーでネイマール選手のドリブルを阻止することはまだまだ出来ないのです。

先生はおっしゃいます。

『21世紀はふらふらした人間が良しとされる時代。何をやっていいか分からないときは、とにかく、色んな事をふらふらとやってみなさい。』

『その為には、学校で勉強する基礎学力はつけなさい。基礎ができたら、どんどん自由にやりなさい。』

とても印象に残りました。

その他、透明になったマウス(物理的には人間も可能だそうです)、スーパーコンピューター見学、生物分子の世界など面白いものが沢山ありました。

普段、あまり物理や化学に縁のない我々も、本当に興味深く接することができました。至福のときを有難う!

蹴上~南禅寺

先日、年賀状用の写真を撮るため、京都にある蹴上インクラインへ家族で遊びにいきました。

琵琶湖疎水による舟運ルートの一区間(蹴上)を走る傾斜鉄道跡で、明治から昭和初期まで活用されていたようです。

今も線路が、鮮明に残っていて、歴史好きな私は、当時を妄想しながらじっくり味わうという、とても嬉しい一時でした。

天気もよくお陰で良い写真がとれ、後は金地院南禅寺東照宮など観光を楽しみました。

子供たちは退屈するかな?と思いきや、各々で楽しめたようで何よりです。

慌ただしく過ぎる毎日に、ホッと一息つけるような時間でありました。

秋晴れと紅葉、
ああ、生きてるって感じです。

二宮金次郎

先日、盛和塾北大阪事務局が主催で上映された映画【二宮金次郎】を観に行ってきました。

この映画は、通常の映画館ではやっていない映画ですが、金次郎の文献を元に描かれた、素晴らしい映画でした。

二宮金次郎は、日本を代表する素晴らしい人物であることは間違いないですが、その人生とは壮絶でありました。

少年期に父と母を亡くし、兄弟は離ればなれにされます。金次郎は、親戚に預けられますが、毎日朝から晩まで田を耕し、薪を広い、重労働を強いられたのです。

それでも、その合間に、論語や大学を読み、学問に励みました。

やがて秀でた金次郎は、小田原村を農業で建て直し、その功績を称えられ、次々と村の復興に尽力します。復興させた村は生涯でなんと600以上。恐るべきです。

そんな金次郎のやり方を、保守的な百姓は受け入れず反発にもあい、小田原藩から派遣された侍にも邪魔をされ、試行錯誤致します。

それでも金次郎は、【至誠】を貫くのです。

至誠とは、すなわち【まごころ】。

言葉にしていることと、思っていること、そして自らがする行動とが一致すれば、どんな人間にも伝わる。

【至誠にして動からざる者は未だこれ有らざるなり(至誠而不動者未之有也)】

という老子の言葉が有名です!

好きな人とだけ生きていたいものですが、上にたつものは、さまざまな考え方の人間と関わっていくのです。どんな人間も、全て善と悪に分けられるのではなく、どんな人間にも、善と悪の部分がある。その人たちが混ざりあって世の中は成り立っている。

その事を金次郎は気づいていたのです。

どんな時も至誠を貫くのは、難しいものですが、見事人をまとめ、成し遂げることができた金次郎は、本当に凄い。

この映画で至誠というものを改めて学ばせて頂きました。

誰にも備わっている至誠。人のために使えるよう、頑張りたいものです。

飛行塔

昨日、生駒山上遊園地に出掛けました。

一つ目的がありました。どうしても遊具のひとつである【飛行塔】に乗りたかったのです。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この飛行塔は、1929年に作られたものなんです。世界大恐慌が起こった年ですね。

戦時中には金属回収がありましたが、海軍の偵察塔として使われたため、解体されず、幾度もの修繕を繰り返しながら、今日まで、90年間その元気な姿を見せてくれているのです。

その歴史を感じながら、生駒山上650メートルから360°を見渡せる絶景を、味わって参りました。

窓ガラスのない飛行機から風を感じ、見渡す大阪平野。どんな観覧車よりも、私は価値があると思いましたし、おそらく、今年一番感動した景色だと思います。

この飛行塔は、何度も乗りたいです。
子供たちも感激していました。

次は夏、夕暮れ時と夜景を楽しみたいと思います。

この世の中には美しく素晴らしいものが溢れている、そう思わせてくれた一日でした。

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中江藤樹

私が友人と共に企画し、定期的に開催している【歴史ツアー】。

10月20日に、第16回目の開催として【中江藤樹】を学んで参りました。

中江藤樹という名前、または何を成し遂げた人かを知る人は、意外にも少ないです。

戦前の日本では、二宮金次郎(尊徳)よりも知られる存在だったそうですが。


藤樹は、1608年、今の滋賀県高島市に生まれました。関ヶ原の戦いの8年後、大阪夏の陣の7年前ですから、まだ乱世の世であります。

藤樹は9歳の時、武士であるお祖父さんに連れられ故郷を離れ、米子・大洲と移り変わります。

江戸時代の学問は朱子学が中心でした。藤樹も朱子学、そして論語に大学と、人としての道徳を大いに学びました。

次第にお祖父さん、お祖母さんを亡くし、故郷のお父さんまでも亡くした藤樹は、一人で暮ら母親が気がかりでなりませんでした。

大洲では、郡奉行を司る仕事をしていましたが、母と二人で暮らすため、退職を願い出ました。

ですが、聞き入られません。藤樹は脱藩し、故郷に戻ったのです。

刀を売り、僅なお金で酒を買い、それを売って暮らしていましたが、村の人々が学問を教えてほしいと集まり、いつの間にか藤樹さんの自宅が、学校のようになりました。

この私塾は、日本でもっとも古い私塾であると言われています。

藤樹は喘息を持っていたため、わずか41歳で生涯を終えますが、晩年には王陽明の学問、【陽明学】と出会い、儒学のみでは限界であった思想を、大きく開花させました。

当時、身分制度を肯定した朱子学中心の江戸幕府からすると、人は平等であるという思想を持つ陽明学派は、危険思想と見なされていました。

藤樹没後には、私塾は閉鎖されました。

しかし、藤樹の弟子たちは諦めず、70年もの月日を経て、私塾を再開させました。

それが高島市にある【藤樹書院】です。

大正時代まで、地元の方々の協力のもと、当時のまま実存していましたが、火災により焼失。今は半分の大きさで、再築されています。

この藤樹の思想や陽明学は、時を越え、幕末に大きな影響を与えます。

それが吉田松陰であり、橋本左内であり、藤田東湖であり、西郷隆盛でした。

陽明学の教えの一つに、【知行合一】があります。これは、知っていることと、やっていることが一致しなければならないという教えてあり、実践を伴わない知は、本来の知ではないことを意味します。

幕末の志士たちは、知を行動に移したのですね。

思想は簡単に時代を越える。

中江藤樹の学問が、後の多くの人々に影響を与えています。このような人を、同じ時代の人々と一緒に学びあえる。

本当に嬉しく充実した一日でした。

国土からみる日本のリスク

台風19号により、またもや記録的な被害がでましたね。自然災害はここ数年、本当に顕著に現れています。

国土交通省技監の大石久和さんが、日本の国土というものを分かりやすくまとめておりますが、これを見ると極めて日本という国が災害リスクの高い国だということが露になります。

例えば日本の国土は細くて長い。日本をそのままヨーロッパの上においたとします。北海道をデンマークに合わせると、ドイツ、フランスを越え、沖縄はなんとポルトガルまでいきます。

デンマークポルトガルは言葉も違えば、気候も歴史も文化も全く異なります。それぐらい長い。

そして、山脈は細い地形の真ん中に2,000~3,000メートル級のものが背骨のように連なっている。その地形に、1万4,000もの一級河川が流れているんです。

ということは、大雨が降ると、急降下で川の水が流れ出す。その結果が今回の台風でもろに出てしまいました。

また、日本は様々なプレートが交差する場所でもあります。ということは、地震が多いわけです。

日本の国土は、地球上の陸地の約0.25%しかないのですが、全世界で起こる震度4以上の地震の10%、震度6以上になると20%が日本で起こっているのです。

そして、数多くの台風が日本列島に沿って進んでいくこと。これは太平洋上の高気圧が大きくはりだし、台風の多い秋には、ちょうど日本列島に沿って弱まるので、その上を通過するという仕組みになっています。

極めつけは、日本の都心部はほとんどが湿地帯に作られているということ。そして、太平洋ベルトというぐらい、太平洋側に集中しているのです。

南海トラフ地震など、これから予測される大規模な地震は、太平洋側に集中しています。

そのため、都心部が集中的に壊滅した場合、死者は増え、食ライフラインが絶たれ、経済損失も膨らみます。

京都大学藤井聡教授は、日本海側に第二の中京都市のベルトをつくり、太平洋側が壊滅した時にも、すぐに復旧させることを国に提唱しています。これが国土強靭化です。

6年前に、国はその提案を賛成しましたが、いまだにはっきりと強靭化に向けた動きは見せていない。緊縮財政をしているからです。

この国土のリスクをはやく、政治的にも対策として動いてもらいたいものですが・・・。

日本国土のリスクを改めて知ることは、日本に生きる上で大切な事だと思います。

地震、台風、水災・・・
いつもそのリスクを背負って暮らしていることを忘れてはいけません。

スポーツは被災者に勇気を与えるのか

ラグビー日本代表がベスト8進出という、歴史的快挙を遂げた。

私はラグビーとは縁がなく、ルールすら知りませんが、この盛り上がりからして凄いことなんだと、客観的に思います。

スポーツが盛り上がることはとても素晴らしいことだと思うのですが、いつも、何か腑に落ちないことがあります。

それは選手たちによる、被災された方々へのコメントです。

こう言うことを書くと、炎上がよぎりますが、自然にわいてくる気持ちなので素直に書いてみます。

今回の台風による被害だけではなく、様々な災害時に行われるスポーツで、ほとんどの選手たちが、まるで判をつくように、『自分達のプレーを見て勇気を与えられたらいい』と言っています。

ここに違和感を感じるのです。

果たして、被災された方々は、そのようなスポーツを見る余裕があったのか。また、被災直後の方々が、本当に勇気をもらったのでしょうか。

現首相まで、ラグビー日本代表の快挙が、被災者に勇気と感動を与えるとツイートしているのを見て、げんなりしてしまった。

何か、こんな大変な時にスポーツに感動していることが不謹慎だ!という意見に布石をうつためのようにも感じてしまいます。

確かに被災後、時間がある程度経過し、復興のインフラ整備が行われているもう一頑張り!という時には、勇気を貰うかもしれません。

しかし、スポーツはスポーツとして、こんな時でも試合が出来る喜びと有り難さを持って、ベストを尽くす試合をしてくれたらいいのではないかと思います。

私は、避難をするぐらいの被災したことはありません。(阪神大震災では、命の危機を感じましたが・・・)

だから、災害時にスポーツによって勇気を貰ったという経験もなければ想像もできません。

そんな人間が、おかしい!というのも説得力はないのですが、客観的にみて、いつも違和感を感じる『勇気を与える』という言葉を、心のままに書いてみた次第です。

スピッツ

もう十数年ぶりでしょうか。

スピッツのニューアルバムを購入しました。

朝の連続ドラマ小説【なつぞら】の主題歌、『優しいあの子』はもちろんですが、アルバムの収録曲である、『ありがとさん』に、もうなんというか、心を掴まれてしまいました。

実はスピッツのアルバムは、デビューから花鳥風月までの約10枚ほどを全部買っていたという、隠れスピッツファンでもありました。(隠れてはないが・・・。)

いつの間にか、買わなくても聴ける!という便利な世の中になり、購入からは遠退いてしまっていましたが、家庭に1枚あるべきだ!と思い、我が家の学びの経費として購入したのです。

スピッツの凄さ、魅力は、老若男女に受け入れられるあの優しいメロディと、vocal草野マサムネの透明で情緒ある声だと思っています。

そして、安心して聴ける。
これも大きなポイントです。

例えば、ルルルやラララだけでも、そのメロディを介して生きているという喜びや悲しみが伝わってくる。

ほとんどの世代で受け入れられるこんなバンドは、世界的にみても稀ではないでしょうか。

小学4年生と年中である私の娘たちも、スピッツの音色が大好きです。

今日は台風の中、自宅で『家族旅行のDVD』を作成していました。

写真を繋ぎあわせ、音楽にのせてスライドショーにしたものですが、スピッツは本当によく合います。

スピッツの皆さん、
ありがとさん!

モダン・タイムス

チャップリンの映画、【モダン・タイムス】を観ました。

「人生は近くでみると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」

チャップリンの名言通り、一つ一つの場面は悲劇的な出来事ですが、人生を長期的に見ると笑い話になる。

そんな感動的な笑いの生まれる映画です。

我々の人生にもよくありますね。そのときは絶体絶命のピンチであっても、後からは笑い話になる経験。

映画では、資本主義社会の批判と、しかしながら労働者の働く目的によって、労働の意味が変わるものだ!というメッセージを、私的には受け取ったつもりです。

資本主義による格差社会は、この日本においてもこれからのテーマの一つです。

そのなかで、どう生きるのか?
幸福的な人生はどうあるべきか?

その姿形は、資本主義の中では自由に表現できることも事実です。

モダン・タイムスに、チャップリンの素敵なパフォーマンスに、勇気を貰えたように思います。

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いよいよ

消費税10%時代に突入しました。

色んな意見があると思いますが、私個人的には、景気の上向きはないなぁと思っています。

消費税が10%になることで、よし、給料があがる!と思う人は少ないと思います。

逆に、抑えるところを抑えないと!と財布のヒモを締め直す、そんな意識が高い方が多いのではないでしょうか。

老後2,000万円問題
消費税の増税
働き方改革による手取収入減

そんな中でのインフレ・・・。

確かに、社会保障の財源は必要です。しかし、消費税増税がベストであるとは思えません。

消費活動を積極的にできる人は、一体どのくらいいるのでしょうか。

日本には課題(問題)が山積みです。それを一つ一つ憂いていても、解決はされない。

これからは本当に、各々が、幸せとは何かをきちんと定義付けていかなければ、しんどい人(心も身体も経済面も)が増えていくのではないかと思います。

人間を支える3つの健康(心身の健康・お金の健康・つながりの健康)をきちんと整え、幸せになれる知恵を身に付けて、どんな時代がきても、げんきよく、きげんよく生きていく。

それをなかなかアドバイスしてくれる人はいませんが、少なくとも、自分の周囲の小さなコミュニティーには、そんな事を話し合っていきたいなぁと思います。

我々がこの世にいなくなるとき、
今より少しでも佳い時代になれば!
と切に願います。