dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

9人の結束力

私のお客さんに、仲間の結束力を感じる
エピソードをご紹介して頂きました。

お客さんの息子である長男が高校3年生の頃です。

彼は、ある神戸の進学校に通っていました。
軟式野球部に所属し、いよいよクラブ活動最後に
なる、春の大会を迎えました。

部員は3年生が9人いましたが、レギュラーは4人。残り5人は補欠でありました。

進学校という事、そして受験の準備で殆どが
3年生になったとたん引退してしまうので、
お世辞でも強い学校とは言えませんでした。

ところがその年のチームは順調に勝ち進み、
なんと準々決勝まで駒を進めるのです。

そんな中、保護者たちと生徒との間で
ある問題が起こるのです。

保護者からすると、好きな野球をやってほしいと
いう思いを持ちながらも、当然進学の道に
専念してもらいたいものです。

クラブ活動を終えた同学年の生徒たちは、
日々受験勉強に励んでいます。

そんな状況でもまだクラブ活動に精を出している
息子を見れば、怒りたくもなるでしょう。

子供たちからすれば、ここまできたのだから優勝を目指したい。そんな気持ちが沸き上がってきます。

そんな親子の意思が交差する中、
ついに、この年、何十年ぶりかに
ベスト4になったのです。

すると、地元の新聞を読んだOBたちが結集し、
夏の大会を大いに期待していると、
応援をしてくれるようになりました。

このような状況で、3年生9人は約束します。

『次の夏の大会も出よう!』

これには保護者も我慢ができません。

私のお客さんも、受験はどうするんだ?と、
息子に強くあたりました。

しかし返ってきた言葉は、

『野球のことをいうなら、
この家で二度と口を利きません。』

というものでした。

9人は約束をしていたのです。

夏の大会にでる!ということ、そして、
部活を引退したら、みんな志望大学に受かるよう、
勉強をがんばるということを。

夏の大会が終わった日のことです。

彼は、お母さんにこう言いました。

『ありがとう。俺、皆でやりきって、
ほんまに幸せやわ』と。

彼はその後猛勉強の末、志望大学であった
京大に受かります。

仲間9人も、一人を残し(1年留年後に志望大学合格)
みんな志望大学に入学したのです。

中には東大生も誕生しました。

あの9人の約束がなければ、
きっと頑張れなかったと言います。

9人の仲間の結束力が、大きなエネルギーになり、乗り越えられたのでしょう。

きっとこの9人は、一生ものの友となるでしょう。

素晴らしいエピソードを聞き、
私も幸せな気持ちになりました。

人は人のために強くなる。

私もまだまだ頑張らなければ!