後世への最大遺物
今日も一日の仕事が無事終わりました。
お久しぶりです!の方、
はじめまして!の方、
手紙を送った方、
連絡しようとして出来なかった方、
LINEで連絡しあえた方、
色んな方々と、色んな接し方、その時間がありました。
さて、この年始に私は素晴らしい本と出会いました。
明治27年、内村鑑三さんという文学者が書かれた『後世への最大遺物』という本です。
実際には、内村鑑三さんの講演内容を書記した内容ですが、これが実に素晴らしい。
内村さんは、この世に生まれた最大の理由を、『生まれた時より、死にゆく時に少しでも世の中を良くする。』事だと定義されています。
そのためには、やはり何か後世に遺物を残すことが必要です。
後世への遺物として、まず大切なものは、『金』だとしています。
このお金は、親族に遺す、言わば相続ではなく、『社会に残していく金』と言われています。
次に、『事業』です。事業、つまり会社を残すことで雇用を生み、国は発展していけるからです。
お金や事業を遺すことは、容易いことではありません。
ならば、『思想』を遺せと言われています。
これは、彩った自分のかっこよい伝記的なものではなく、
『こう感じた、こう苦しんだ、こう喜んだ』という、その人の事実を書に遺すことだとしています。
その事実は、後世の人々が読んだときに、どれだけ勇気付けられるでしょうか。
お金、事業、思想(本)は、誰もが遺せるものではありません。
しかしながら、唯一、誰もが遺せる遺物があると、内村さんはおっしゃいます。これこそが、最大遺物だと。
それは、
『勇ましい高尚なる生涯』です。
この一生涯を、真面目に、そして自分のことだけでなく、周りの人のために尽くし、一生懸命に生きるという生き方です。
これは、誰でも今から始められるものです。
あの人は、お金も事業も思想も残さなかったけど、生き方だけは素晴らしかった。
あの人のように生きていきたい。
そんなモデリングを後世へ遺すことが出来れば、もっともっと世の中は良くなっていきますね。
内村鑑三さんの、『後世への最大遺物』は100年以上前のものですが、今も変わらない不易なものが詰まった名著だと思います。
私は意志の弱い人間です。
それでも少しでも、1ミリでも、そんな生き方が出来るように、弱さにクラクラ幻滅しながらも、精進していこうと思う次第です。