森繁久彌さんの授業
2学期がはじまったという学生さんも多くいらっしゃるとおもいます。うちの子も、久々にいく学校、幼稚園にそわそわしておりました。
さて、学校で思い出す話があります。昭和の大スターである森繁久彌さんが、ある小学校で授業をした時のお話です。
森繁さんが生徒たちに向かってこう問いかけます。
『君たちが今日この教室につくまで、何人の人に感謝できますか?』
生徒たちは、おのおの考え発表します。
『朝起きて、お父さんお母さんでしょ。それから近所のおばさん、横断歩道でみまもりをしてくれるおばちゃん、学校の先生・・・5人です。』
『僕は10人・・・。私は15人・・・。』
すると、森繁さんはこうおっしゃられるのです。
『いやぁ、10万人はいるでしょう。』
その言葉に、生徒たちはキョトンとするのです。
すると、森繁さんの持論が展開されます。
『今、君たちがもっている鉛筆、これは誰が考えたの?そして設計して作っている人は誰?売ってくれる人は?
座っている椅子、机、誰が考えて誰が形にしたの?消しゴムは?洋服は?教科書は?』
実は目をあけて見えているものほとんどが、誰かが考え、人間の手で作られてきた、汗と涙の結晶なんですね。
そして、ほとんどが無名で、知らない人たちの頑張りなんです。
『世の中は無名な人々によって成り立っている。それが仕事というものだ。』
その事に気づかされる素晴らしい授業だと思います。
小学生のなりたい職業No.1は何かご存じですか?ユーチューバーです。3割合を越えているそうです。
ユーチューバーが悪いとはいいません。
しかし、子供たちが仕事を選ぶサンプルが少ない証拠なんだと思います。大人たちが、仕事というものをどう教えるか?我々のテーマかもしれません。
多くの無名な人たちの仕事が、世の中を支えている。
さて、明日も顔晴って参りましょうか。