dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

人徳のある人

私のお客さまに、不動産会社の役員の方がいます。色々なご相談を受けながらも、興味深いお話をたくさん聞かせて頂いています。

今日のお話も、素晴らしい人がいるもんだなぁと、感心させられました。

お客さまが管理する賃貸マンションの一室をかりている、大学院生のお話です。

この院生は、某国公立大学院で教育の研究をされています。

その研究内容は、どうすれば貧困層の子供の学力を上げられるか?というものです。

世の中は、良い教育を受けられる富裕層と、それとは逆に教育環境に恵まれない貧困層との二極化が広がりつつある事を指摘し、また危惧されていることから、このような研究に至ったといいます。

現在は、ある市の、一番学力が低い小学校(いわゆる、荒れている学校)で、週3回授業を請けもっているそうです。

その学校は、片親や生活保護といった環境の子供たちが多数います。

宿題はやらない。
授業は集中しない。
塾などいけるわけもない。

そんな子供たちが多い中、どうすれば勉強が面白くなるか?を考え、試行錯誤しながらも、日々頑張って取り組んでいるそうです。

その研究に行き着いたのは、ご自身の経験からでした。

ご自身も、親が不仲で離婚し、厳しい環境で育ったそうです。

それでも、大学に行きたいと志しました。お金は高校卒業後、2年間働いて全て自分で用意しました。その時に出会ったのが、私のお客さまだったのです。

お客さまは、ご苦労のある学生だからと、なんと、家賃を15,000円で貸してあげたのです。利益などほとんどあがりません。

その家賃なら、大学のお金が貯められる
と、学生さんには大きな希望となりました。そして、同級生とは2年遅れながらも、見事国公立に合格しました。

働きながらですから、相当の努力をされたのでしょう。

自分のように、家庭環境がよくなくても、思いが強ければ、大学にいける。学べる。そのことを、今の小学生たちに教えたい。その情熱が彼の大きな使命感となっているようです。

この学生の使命感、人徳の強さに感動しましたし、その彼を応援したい思いで、ただのような値段で部屋を貸してあげたお客さまの心意気にも感銘を受けました。

まさに、生身の人間と人間が生きあっている美しさ、人徳を感じたのです。

私もこの学生のように、またお客さまのように、徳を育んでいかなくてはと、エネルギーをお裾分け頂きました。