dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

陽だまりの樹

手塚治虫の『陽だまりの樹』という漫画を読んでいます。

西洋文明と西洋人の流入、開国派や攘夷派が争い、江戸時代から明治維新という時代を作っていく幕末の日本を舞台にしたストーリーです。

このタイトルである『陽だまりの樹』は、
藤田東湖の庭にある桜の木をさします。

この樹は、陽だまりでぬくぬく育ち外観は見事で立派な樹なのですが、安政の大地震により、倒れてしまいます。

陽だまりでぬくぬく育ったので、実は根は腐り、
木の中は白蟻で食い尽くされていたのです。

この樹は、当日の江戸幕府を表したものであり、
封建政治の悪い点を野放しにしてきたつけ、その
腐敗していく幕府を表しているのです。


今の時代にもたくさんの陽だまりの樹はあるのではないでしょうか。

日大アメフト部の一件、神戸製綱、そして政治など、大きな組織や立派なものに見えていても、根っ子や幹は野放しにするとスカスカになっている事もあるのです。

立派に見せることは多いに良いことでしょう。

しかしながら、それを支えているのは根っ子や幹、中身なのです。

人には見えない根っ子や中身だからこそ、道学が必要であり、人として大事なものはなにか?をいつも考えなくてはなりません。

そんな事を思う、今日この頃です。