dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

人生を短くしている生き方

1987年に初版された、【生き方の研究】(森本哲郎著)を読んでいます。

先日亡くなられた中曽根さんが総理大臣を務めていた時代です。

この本は、人間はどのように生きるべきか?という問いと向き合い、その答えとして、先人たちの智恵を紹介するといった、哲学、思想、実行が備わった名著です。

その中から、セネカのお話が印象的でありました。

古代ローマの思索家であり政治家のセネカは、人生の短さについて研究をされた一人です。

古代ローマ時代ですから、平均寿命などは今に比べ、相当短いものだったと思います。

セネカは人生の短さに、こう言及しました。

『われわれは人生に不足しているのではなく、濫費(浪費)しているのである。人生が短いのではない、我々が短くしているのだ。』

言い替えると、人々は、まるで永久に生きられるかのように生きていると言うことです。

日本は、戦後すぐまで人生50年と言われていました。そこから半世紀、寿命革命がおこり、今では100年時代だと言われています。

人生が倍になったとしても、毎日を浪費し、明日、明日と先送りして生きる。さらに、世の中が便利になっても一向に暇にはならず、心は多忙で過ぎていく。

そのような生き方では、人生が100年、150年になったところで、ふと死を前にして後悔しても、後悔しきれないのではないか?そんな事をセネカの文章から読み取れるのです。

セネカはこう括ります。

『明日を頼りにして今日を失うな』

毎日毎日を最後の日のように思って生きるのは難しいですが、毎日、毎日を味わって生きることから、はじめてみる事は大切だと思います。

今年も残すは1ヶ月をきりました。
毎日を味わって過ごしたいと思います。