行方不明の同級生発見
行方不明・・・というと、いかにも事件性を匂わせてしまいますが、あくまでこちらサイドの一方的な表現ですね。
ずっと、どこにいったんだろう、何をしているんだろうと、心の中で彼を心配するスペースがあって、時々そのスペースを覗く、という事を繰り返していましたが、そんな彼が今、どこで、何をしているのか、手掛かりが掴めました。
中学生の時、毎週と言っていいほど、彼の家に行き、当時伝家の宝刀スーパーファミコンのSTREET FIGHTERやマリオカートをして遊んでいました。
遊んだ後は何人かで銭湯に行き、脱衣場で1時間、露天風呂で1時間過ごすというような事をしていました。
当時はそれがとても楽しかった。
20歳過ぎ頃までよく遊んでいましたが、【あの日】から彼を見ることはありませんでした。
今でも、【あの日】の事をよく覚えています。
当時私が働いていたバイト先では、月曜日は出荷が多く深夜まで働き、火曜日は入庫が多いため早朝から出るという、過酷だけど稼ぎ時の月・火を過ごしていたのです。
その月曜日、彼から電話がありました。
『今晩、お前ん家にどうしても泊まらせて欲しい。』
当時私は一人暮らしだったので、彼は何回か私の部屋に泊まった事がありましたが、月曜日だけはどうしても厳しかったので、
『悪い!今日は遅くなるし、朝は早いから無理やわ!』と断ったのです。
日常の会話ではない急を要する事情は、言わずもがな伝わっていました。しかし、私は断ったのです。
それから数日、いや数ヶ月がたちました。
最近は連絡がないなぁと気になり電話をしたのですが、電話番号は使われていませんでした。
何かあったんじゃないか?
なぜ俺はあのとき断ってしまったのか。
そんな自己嫌悪に陥りましたが、どこかに仕方がなかったと正当化する気持ちで、その事から逃げていました。
彼のいとこも同級生だったので、今何処にいるの?と聞いていたのですが、返ってくる返事は知らないの一言でした。
あれから20年近い時間が経過しました。
LINEに、友人から
『◯◯がアイツを見たらしい!』
『どうやらパチンコ店で働いているらしい』
という、ビックニュースが飛び込んできたのです。
そして今日、アイツを見たらしいという、『らしい』が『確信』に変わったのです。
アイツを見たという友が、声をかけて確認したから間違いがないと言うのです。
遂に、20年ぶりに彼を発見しました。
SNSの力、恐るべし!
私は嬉しくなりました。
彼と再会しているイメージが湧いてきます。
しかしながら、もし再会した時、彼はどのような反応をするでしょうか。
そんな心配より、彼が無事で・・・というのは本当に自己中心的な発想ではあるのですが、本当に良かったと思います。
今年中には、お酒を交わしながら20年の物語をじっくり交わしたいものです。