何が出来るのか。
仕事での手続きがあり、あるお客さま方にお会いしてきました。
このお客さまは、昨年9月に奥様をご病気で亡くされました。
まだ50歳の若さで、お子さんも中学3年生ですから、本当にお辛かったと思います。
約1時間程、夫婦の思い出、ご病気が見つかり、闘病してきた約1年のこと、使える薬が無く、治験に懸けた思い、そして亡くなられた日のこと、そして今の心境など、色々お話下さいました。
思い出が甦り、途中涙を流されることもあり、まだまだ悲しみが癒えない姿に、私も目頭が熱くなりました。
一番心に残ったのは、もう治療が出来なくなった時、泣いてばかりいたのは自分や義母ばかりで、奥さまは涙一つみせず、弱音も言わずに受けとめておられたという姿です。
本当に一番辛いのは、奥さまご本人でありましょう。その辛さを身内に振り撒くこともせず、ただ凛とした姿でいらっしゃった奥さまの強さに、ただただ畏敬の念を抱くばかりです。
仕事や趣味のテニスで気を紛らわしていても、一人になったら本当にきついとおっしゃっていました。
このような悲しみを背負っている方を前にして、私は何が出来るのでしょうか。
何かしようと思う事自体、おこがましい事だと思いますが、仕事を通じてご縁を頂いた方であっても、仕事の垣根を越えて、人間と人間とが生きあうことこそ、本当の生きる喜びなのではないでしょうか。
そう言うことを非常に考えさせられます。
定年後は、お客さま(ご主人)の実家の北海道で暮らし、スキーの講師などをしながら、奥さまは好きなガーデニングを楽しむというライフプランを立てていらっしゃいました。
この希望もなくなりましたが、また落ち着いたら相談にのってもらいたいということでした。
この仕事を長く続けると、きっと色んな場面にご縁を頂戴する事と思いますが、この仕事の『Why』を、改めて考えてみなくてはなりません。
そのような気付きのある時間でした。