断捨離におもう。
少し前に、とにかく不必要なものをどんどん捨てる『断捨離』が流行し、最近では生きる為に必要最低限のものだけしか持たないミニマリストという人も現れるようになりました。
断捨離やミニマリストなどの生き方が性に合う人ならそれで良いと思いますが、あたかも『断捨離』という、物を捨てる事だけが正しいという風潮や空気がある点、またその風潮や空気にただ流されているだけの人も世の中には多いように思います。
先ほども『断捨離』をテーマにしたテレビ番組を少し見ていました。
子育てが終わり、子供も独立したある主婦が、子育て中に買っていた絵本を断捨離するというのです。
断捨離する理由はよくわかりませんでしたが、今まで捨てられなかった理由としては、まだ子供が小さい頃、たくさん読み聞かせをしてあげた大切な思い出が詰まっているものだからということでした。
そんな中、意を決して、涙を流しながら絵本を捨てていくのです。
これは本当に良いものなのでしょうか。私は不思議に感じました。
部屋が片付く、スッキリして気持ち良いなどの利点は当然あるでしょう。
しかし、その親子が絵本を通じて歩んできたかけがえのない時間や思い出、願いのような暖かみがそこにはあるのです。それを日々感じられる絵本があることでエネルギーが湧いてくるでしょう。
そしてまた孫が出来たとき、その絵本は孫やその家族にとっての大切な文化資本となっていくのだと思います。
絵本がたくさんあるおばあちゃんの家は、どれだけ素敵な家になるでしょうか。
テレビ番組ですからどこまでが真実かはわかりませんが、全てには表と裏が潜んでいます。
断捨離などのやり方だけにとらわれず、世の中の風潮や空気に流されず、まず自分の頭で考えることが、豊かに生きるための秘訣のように思います。
その点を考えさせられる時間でした。