dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

青春は戦争の消耗品ではない

大林宣彦監督「花筐 HANAGATAMI」が、
12月16日に公開されることが決定したことを
知りました。

この作品は、作家・檀一雄さんの小説が原作。

大林監督が、約40年前に商業映画デビュー用に
脚本を書き上げていた思い入れのある作品
だそうです。


大林監督は、撮影当初の2016年8月に、
なんと末期の肺癌と診断され、
余命半年とも言われることになります。

しかし、撮影を生きる使命と捉え、
最後まで映画を録り続けられました。

なぜ今、あの戦争時代を描いた作品なのか。

それは、大林監督世代が、あの戦争が終わり
次世代へ何も伝えてこなかったことの迂闊さ、
戒めであると言っています。

そしてもう一つは、大林監督の父の存在です。

監督の父は、青春時代の6年間を、
戦地で過ごしました。

戦争が終わり、復員した父は、
戦争を語ることはなかったといいます。

父のことを考えると、人生を戦争に捧げた
人生まるごと消耗品だったと定義しました。

二度と、そのような若者を出さない。
自分の意思で人生を選択できる、
そんな平和な時代を無くしてはならない。

平和がガタガタ音をたてながら崩れかかって
いく、そんな気配を感じる今こそ、
この映画を残すことに命をかけられたのです。

『青春は、戦争の消耗品ではない。』

あと10年もすれば、戦争を体験された方々が
ほとんどこの世にいない時代がきます。

私たちは、日本人として
あの戦争を風化させてはならない。

そう強く思いました。


花筐 HANAGATAMI、
心を込めて観たいと思います。