dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

石田梅岩 【都鄙問答】

石田梅岩の、『都鄙問答』を読んでいます。

石田梅岩は、1700年代に活躍された思想家、倫理学者です。

この『都鄙問答』は、松下幸之助さんが座右の書としていたそうです。

今までの都鄙問答は、現代語訳が難しくて、あまり読まれてこなかったようですが、本ソムリエの清水 克衛さんが、一番分かりやすい都鄙問答(城島 明彦さん現代語訳)を教えて下さり、この本と出会う事ができたのです。

分かりやすいといっても、孔子孟子儒学論語を軸としているので、愚才な私にはまだまだ難点多き本ではあります。

しかしながら、二之巻『或る学者、商人(あきびと)の学問を譏(そし)るの段』は、きらきらと光る思想の宝をたくさん頂くものとなりました。

例えば、『乞食には信念がある』と梅岩はいいます。

乞食をするのは、泥棒をしないためであり、たとえ飢え死にしようとも、盗みだけはしないという信念が乞食としての道だと説かれています。

そして孔子の言葉を借り、

『どんなに貧窮しても、正しい生き方をしたら君子である。貧窮して欲望に突き動かされ、人の道に反することをするのは小人である』と言われています。

こんな発想を私は1ミリたりとも考えたことはありませんでした。


また、商人には、

『商人としての正しい道を知らないものは、利を貪ることにのめり込み、かえって家をつぶしてしまう。

それに対し、商人としての道を悟れば、欲望でなく、【仁】を心がけて仕事に励むので、家は栄える。そのようにするのを学問の徳としている。』

これは正しく今の時代にも言えることだと思います。

さらには、

『儲けがなくてもいいは、商人失格』だと言われます。

その答えとは、

『商売は、正しい方法で利益を上げることで成り立っている。正しい方法で利益を上げるのが商人としてのまっとうな生き方であり、利益を上げられないのは正しい商人の道とはいえない。』

ということです。

石田梅岩は、正しい商売とはどんなものかも、具体的に例えを出して、この本で教えてくれています。

私も商売人の端くれとして、この信念をしっかり胸に刻んで、正しい商いを培っていこう。


商売をする方、営業に携わる方は、必ず読むべき本だと思います。