dantelのブログ

日々の心境、思想、学び、気づき等を書き留めています。いつか、後世への遺物となることを願っています。

The Circus

先週土曜日に、チャールズ・チャップリンの映画『The Circus』を家族で観ました。

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警察に追われるチャップリンが、サーカス会場に紛れ込み、瞬く間に会場を賑わせ、正式にサーカス団として契約するという物語です。

世界の喜劇王と言われる所以、物凄く笑わせてもらいました。

驚いたのは、5歳の次女が終始笑い転げていたことです。

白黒、無声映画の世界で、5歳児をあそこまで魅了するのは、チャップリンの天才的な才能だと思います。

そして、何よりアート(芸術や映画)は世代を超えるということです。

年齢と共に、我々は経験と論理(筋道)に基づいて、話をしたり判断したりします。

これはとても大切なことですが、アートまでも理論的で経験的な解釈をしてしまい、つまらなくする恐れがあるのです。

しかし、アートそのものを素直に楽しむということは、5歳の女の子も大人も全く関係のないことです。

だからアートは素晴らしいのだと思いました。

チャップリンの映画は、とても笑えるのですが、最後には必ず物悲しい気持ちになるのです。これを作家の椎名誠さんは、『おもしろかなシズム』と読んでいるそうです。

このような真・善・美に触れることこそ、人生の醍醐味のように思う今日この頃です。

努力

努力は必ず報われるとよくいいますが、

【努力なしでは報われない】

が正しい使い方だと思います。

報われない努力も、世の中にはたくさんあります。がしかし、努力しないで報われることは、ほとんどないでしょう。

できるだけ耳障りの佳い言葉ではなく、
正しい使い方をしていきたいものです。

小津安次郎監督

お正月から、巨匠・小津安二郎監督の映画を2本観ることが出来ました。

1本は、1953年【東京物語】、もうひとつは1951年【麦秋】です。

小津監督といえば、家族をテーマにしたヒューマンドラマの天才ですが、ヒューマンドラマ大好きな私は一度も観たことがありませんでした・・・。

タイミングってあるのでしょうね。

家族というかけがえのない温かい存在と、いつかは離ればなれになっていく、"定め"の両方を、人間は抱きしめながら、覚悟しながら、生きていくものなんだ!

両方ともに、40歳を超えた今だから味わえる、そして無情感が込み上げる映画でした。

東京物語では、敗戦後、大きく資本主義に傾いた日本の【多忙な生活】が、人間本来の情緒や、死生観を失っている様を描いていたように思います。

人生において本当に大切なものは何か?

自分自身にも問われているようでした。

どちらも65年以上前の白黒映画ですが、当時の町並みがよくわかるのも、観る楽しみですね。

小津安次郎監督作品集DVD9枚セットを購入したので、あと7作品、ゆっくり味わっていこうと思います。

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河井寛次郎に学ぶ

昨日は師匠との年始勉強会でした。

三十三間堂を参拝し、午後からは河井寛次郎記念館に行きました。

河井寛次郎は、明治から昭和の戦後まで活躍した陶芸家であり、彫刻家でもあります。

また書も素敵で、素敵な言葉をたくさん残されています。

作品のことは私はよくわかりませんが、一つ一つ本当に吸い込まれるような美しさと優しさを感じました。

館内には、河井寛次郎が使っていた書斎の机や椅子がそのまま展示されていますが、なんとそのまま座れるのです。

色々な想像をしたり、物思いにふけったであろう机に腰を掛けていると、何とも言えない幸福感に包まれます。

また、この机や椅子は本当に憧れます。

いつの日か、このような机と椅子の書斎を持ちたいな!と想いを馳せてしまうぐらいです。(今の風貌や人格では浮いてしまうでしょうが・・・)

さて、河井寛次郎の言葉にはこのような詩があります。


どうしてこんなに 
ものが美しいのだ 
人間万歳


世間ではよく、大切なことは、物ではなく心だ!という言葉を聞きますが、そうではないと思います。

それは心が物を作るからです。

この世界に溢れている物質は、誰かが、誰かのために、このようなものがあればきっと助かるだろうな!喜ぶだろうな!という美しい心が作ったものだと思うのです。

河井寛次郎がどのような思いでこの言葉を残されたのかはわかりませんが、手間を惜しまず、誰かのために、物や価値を残していく。なんとも人間は美しいものなのか?と感じます。

毎日毎日、仕事(育児も家事もすべて含めて)は誰かのために価値を提供しています。

私も、自分の仕事を改めて美しくしていきたいものです。


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知行合一

毎年、大晦日にはその年の目標に対する総括と、翌年の目標設定をしています。

ブログにも、15の目標を書き残しておこうと思います。


2020年スローガン【知行合一

~学んだこと『知』と、行動『行』が一致してこそ、誠実な生き方となる。その為には、正しい『知』と、正しい『行』が必要である。真・善・美に触れ、深く学び、価値ある人間をつくる。そして、微力ながらも、人のお役立ちができるよう徳を高める!~

1.年間50冊以上の読書。実学と道学をバランスよく読む

2.映画を30作品以上観る。感性を磨き、心の養分とする。

3.年間3回、論語講座を受け、人間形成をしていく。

4."聴くドラマ聖書"アプリを使って聖書を学ぶ。

5.家で子供たちに、伝記・童話など週1回の読み聞かせ。

6.友への応援メッセージを週2回送る。

7.今年も遺族会の理事を努める。また月1回は、カフェで戦争語り部をさせて頂く。

8.ピアノは『LET IT BE』の弾き語りに挑戦する。

9.歴史ツアー『天下布部』を年3回実施する。

10.年2回の家族旅行。遊び・学び・癒しをバランスよく入れる。

11.毎月10回は氏神様へお参りをする。

12.生駒山上遊園地の飛行塔に乗り、昼・夕・夜3度の景色を味わう。

13.お金は人が喜ぶような価値ある使い方をする。自分のことは倹約に努める。

14.美術館や記念館に足を運び、真・善・美に触れる。

15.家族間での『こうかんノート』を1年続ける。


今年のテーマである知行合一は、陽明学の教えにあります。

知っていることとやっていることが、一致しなければ学ぶ意味はありません。

しかし、これがまた難しい。
知識ばかりが増えて、何一つ行動に伴わない。知と行の間がどんどん離れていく、意思の弱い私です。

それでも起き上がりこぼしのように、タフに挑戦していきたい。

ほとんどが毎年同じ目標になりますが、継続し、工夫し、進化させ、コツコツ一歩ずつでも、人間を成長させられるように顔晴っていこうと思います。

三が日

2020年、おめでとうございます。

今年の三が日も、例年と変わらず同じ行事を無事に行うことが出来て嬉しく思います。

元旦の朝は初日の出を拝み、先祖のお墓参りへ。家族、弟、親戚と一緒におせち料理と鍋を食べ、氏神さんへ初詣。

二日目は、妻の実家へ。御節とすき焼きを味い、親戚一同でカルタ、トランプ、UNO大会。そして一番盛り上がるのが、お義父さんとのじゃんけん対決。勝てばお小遣い500円が貰える!それが終わると初詣。

三日目の朝は書き初め。

ここまで徹底している理由はひとつ。
我が家の文化だからです。

我が家は我が家の文化がある。
この文化を大切に守っていくことが我が家のお正月です。

今年も佳い一年となりますように!

有難う!2019年

今年も大晦日に、2019年最後の日の入りを見届けることができました。

今年は平成から令和へと時代が移り変わる1年でありました。日本人にとっては、それぞれが平成や令和、また歴史や文化というものに、想いを馳せた年であったと思います。

無病息災といいますが、特に大きな病気も怪我もなく、1年を終えられることを嬉しく思います。

夜には、今年の目標に対する結果と、来年の目標を設定します。これもここ何年ものルーティンになりました。

時代の変化と共に、流行もかわりますが、これからも『不易流行』を、より一層大切に生きていこうと思います。

有難う!2019年。

来年も佳い一年となりますように。

ファクトフルネス

年末に向けて大変慌ただしくなってきました。体調管理は大切にしていきたいものです。

さて、年末年始に是非読んで頂きたい1冊を書き留めておきます。

「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」

ハンス・ロスリング, オーラロスリング, アンナロスリング・ロンランド著

という1冊です。

この本は、世界で起きている事実に目を向けることを推奨しています。

というのも、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問を、医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家に投げ掛けると、ほとんどみんなが間違えたというのです。

みんなが同じ勘違いをしている・・・

これは、人間がドラマチックな考え方をする生き物であり、またポジティブよりネガティブなニュースの方が記憶に残り、メディアなどの情報操作が入るなどで、様々な勘違いをしているのだといいます。

例えば、世界では貧困層と富裕層の二極化が広がっていると、殆んどの人が思っていますが、実は圧倒的に中間層が増えているという事実。

世界はどんどん悪い方向へ向かっていると思う人が多いが、実は健康と生活レベルはこの50年、圧倒的に上がっていること。

そのようなマクロとミクロの、また統計と分布を使った視野で、事実を伝えてくれています。

思い込みやメディアの操作を受けてしまいがちな我々ですが、事実に目を向ける習慣をつけたいものですね!

実は、世界は明るい方向へ向かっていることのほうが多い!

ファクトフルネス。
ちゃんとした事実を知ることは、本当に大切だと思います。

マイナスの暗示から解き放たれる人が増えれば、世の中はもっと明るくなる!

成形の功徳

江戸狂歌の一つに、

【いつまでも あると思うな親と金】

という言葉がありますが、この続きがあるのを知りました。

この後には、こんな言葉が続きます。


【いつまでも ないと思うな運と災難】


ほんとにうまくまとめたものですね。

自分には運がない、あの人だからできる!そんな言い訳は今でもよくある話です。

しかし、運はいつまでもないという訳ではない。どんな人にも開ける時がある。
非常に前向きになります。

また災難というのも、いつまでも無いと思ってはいけません。災害、病、事故に事件は少なくはありませんし、いつ自分に降り注がれるかはわからない。

だからこそ、毎日を大切に生きることが大切です。

そして、【形に残す】ことは、とても必要であります。

何か形に残すとことを、森信三先生は、【成形の功徳】(せいけいのくどく)と名付けました。

物事を形にすることによって初めて現れる効果のことです。同じ物事であっても、形にすると形にしないでは大きな差が生じます。

だからこそ、何でもいい。日記、ブログ、写真、考え・・・。形にすることで、ふと自分がいなくなった時に、そのものが残る。そして生きている者への遺物のなっていくのですから。

自分や周りの方々の人生が、温かく豊かになるような生き方をしたいものです。

人生を短くしている生き方

1987年に初版された、【生き方の研究】(森本哲郎著)を読んでいます。

先日亡くなられた中曽根さんが総理大臣を務めていた時代です。

この本は、人間はどのように生きるべきか?という問いと向き合い、その答えとして、先人たちの智恵を紹介するといった、哲学、思想、実行が備わった名著です。

その中から、セネカのお話が印象的でありました。

古代ローマの思索家であり政治家のセネカは、人生の短さについて研究をされた一人です。

古代ローマ時代ですから、平均寿命などは今に比べ、相当短いものだったと思います。

セネカは人生の短さに、こう言及しました。

『われわれは人生に不足しているのではなく、濫費(浪費)しているのである。人生が短いのではない、我々が短くしているのだ。』

言い替えると、人々は、まるで永久に生きられるかのように生きていると言うことです。

日本は、戦後すぐまで人生50年と言われていました。そこから半世紀、寿命革命がおこり、今では100年時代だと言われています。

人生が倍になったとしても、毎日を浪費し、明日、明日と先送りして生きる。さらに、世の中が便利になっても一向に暇にはならず、心は多忙で過ぎていく。

そのような生き方では、人生が100年、150年になったところで、ふと死を前にして後悔しても、後悔しきれないのではないか?そんな事をセネカの文章から読み取れるのです。

セネカはこう括ります。

『明日を頼りにして今日を失うな』

毎日毎日を最後の日のように思って生きるのは難しいですが、毎日、毎日を味わって生きることから、はじめてみる事は大切だと思います。

今年も残すは1ヶ月をきりました。
毎日を味わって過ごしたいと思います。